こんな時は家族信託-相続についての話合いのきっかけが欲しい

◯生前対策をはじめるタイミング

相続についての話合いのきっかけが欲しい認知症対策や相続対策をはじめるのに最も良いタイミングは70歳ぐらいだとされています。

早いのでは?と思う人も多いですが、生前対策は元気なうちに始めるのがよいです。生前対策と一口でいっても家族信託、遺言、生前贈与など様々な種類のものがあります。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分の希望に合った対策を実行していくためにやはりそのくらいの年齢がベストです。

そうは言っても、元気なうちは生前対策など考えられないあるいは考えたくもないと思うのが普通だと思います。また、子供の方からしても親に生前対策を始めてくれとはなかなか頼みづらいというのが正直なところでしょう。多くの人は対策の必要性は理解しながらも実行には移さないのです。実際、生前対策で最もポピュラーである「遺言」でさえ、遺しているのはおよそ10人に1人と言われています。

なせでしょうか?それは今までの生前対策が「亡くなった後」のことを対象としているからです。

亡くなった後の遺産分割で揉めないように遺言を遺しておく、亡くなった後の相続税ために生命保険や不動産を活用して節税を行うなど、自分がいなくなることを前提にした話ですので、あまりいい気はしないでしょうし、積極的は対策しようというということにならないでしょう。これこそが生前対策が進まない一番大きな理由だと思います。

 

◯家族信託が家族の話し合いのきっかけになる

これに対して、家族信託は「生きていること」を前提に話が始まります。遺言は一方的な意思表示を書面にしたものですが、家族信託は委託者と受託者との間の契約で始まりますし、受益者(=委託者)のために続けていくものです。

例えば、高齢の親である委託者とその子である受託者とが家族信託をはじめる場合、親亡き後に財産をどのように分けるのかということではなく、親が希望どおりの老後を過ごしていくためにどのように財産管理や活用をするのが良いか、という視点が最も重要となります。あくまで親が、ひいては家族が健やかな生活を送っていくことが目的となります。

遺言は亡くなった後のことですから、自分でも考えづらいですし、家族からも進めにくいものです。しかし、家族信託であれば自分でも考えやすいですし。家族から勧めるのも抵抗がないと思います。老後や介護などの問題を家族で一緒に考えるいい機会になります。

弊社で家族信託のお手伝いをする際は、まず家族全員に集まってもらい説明をするようにしています。そして、一度家族でしっかり今後の家族のことについて話し合ってもらいます。そして、この話し合いの中で多くの場合「亡くなった後」の財産のことも自然と話すことになります。家族信託で財産を家族で管理したとして、その財産を今後どうしていくのか、について話し合うのは極めて自然の流れです。家族信託をきっかけに家族で話し合いをしたけれど、家族信託はやらずに遺言を書くことにしたというようなケースもあります。

生前対策のはじめの一歩として、是非家族信託について話をしてみましょう。

 

◯ 元気なうちに対策をはじめよう

残念ながら親や家族が既に認知症になってから弊社にご相談にいらっしゃる方が多くいらっしゃいます。 認知症対策として有効な家族信託も、認知症になってしまうと利用することができません。なぜなら、家族信託も通常「契約」によって開始するからです。判断能力がない状態で契約したとしても契約は無効となってしまいますので、家族信託も無効になってしまいます。

認知症対策をはじめとする生前対策は「元気なうち」にしかすることができません

早めに対策を開始することをオススメします。

 

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