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【家族信託コラム】家族信託はいつから始まるの?

2019-06-30

認知症対策として利用することが多い家族信託ですが、その効力はいつから発生するのでしょうか。

認知症対策と聞くと、「認知症を発症してから」(=判断能力がなくなってから)家族信託が開始されると誤解されている方もおりますが、家族信託は「信託契約と同時」にその効力が発生します。つまり、信託契約と同時にということは、契約は元気なうち(判断能力があるうち)にしか締結できないので、家族信託の効力は「元気なうち」に発生することを意味します。後見制度は、判断能力が低下・喪失してから開始されますが、家族信託は元気なうちから開始するのです。

認知症になってから家族信託が開始するという条項を入れて契約を締結することも法的には有効ですが、登記手続や金融機関での手続ができなくなってしまう可能性があるので、実務上はこのような定めをするのは避けた方がよいとされています。

元気なうちに開始してしまうということが、家族信託をはじめるタイミングの判断を難しくすることになります。認知症による財産凍結は避けたいので今すぐ信託を始めたいと思う一方で、今すぐ(=元気なうちに)受託者である子供に信託財産の管理権限が移ってしまうのは少し早い気が・・・ということで、もう少し時間が経ってから信託を開始しようという判断に至ることがよくあります。

一方で、すでに判断能力が低下してしまった方のご家族からの相談も非常に増えています。判断能力が低下したからといって家族信託や遺言などの生前対策が必ずしも不可能となってしまうわけではありませんが、すでに対策ができない状態となってしまっているケースも多く見受けられます。

元気なうちにしか信託を利用できないというの理解できても、人間元気なうちは信託などの対策のことなど考えたくはないというのが本音だと思います。

一概にいつ開始するのがよいとは言えませんが、一度家族会議を行って家族信託や遺言等について専門家を交えて話し合っておくことをおすすめします。

 

 

 

 

【家族信託コラム】信託報酬はどのように定めれば良いか?

2019-06-14
家族信託を開始するにあたり、受託者となる子供などの親族に報酬を与えることも可能です。
信託報酬を与える場合には信託契約においてその旨を定めることとなります。

具体的な報酬額については、一般的に「①具体的な報酬額を設定する方法」、「②報酬額の具体的な算定方法を設定する方法」、「③相当な額として設定する方法」などがあります。
報酬額について、法律上は下限や上限の制限がありませんが、過大な報酬を設定した場合には税務上否認されるリスクは当然あります。

①の方法を採用する場合、成年後見制度を利用した場合の、「成年後見人等の報酬額のめやす」を参考に決定する方法があります。

<参考>
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/vcms_lf/130131seinenkoukennintounohoshugakunomeyasu.pdf

その他、一般的な不動産の管理報酬の相場(賃料の3~5%程度)も基準の1つとなります。

②の方法を採用する場合、一般的な不動産の管理報酬の相場を参考に、
「受託者の報酬は、信託財産である賃貸用不動産の賃料収入の○○%を毎月末日に支給する」
といった定め方があります。

③の方法を採用する場合、「相当な額」だけですと、報酬支給の都度、根拠を示さなければなりませんので、
「受益者(受益者代理人が選任されている場合は受益者代理人)と受託者との協議により決定する」といった定めを設け、
受託者が変更する度、あるいは報酬額を変更する度に協議を行うこととなります。

信託報酬を設定するにあたっては、司法書士・税理士などの専門家に相談した方が良いでしょう。

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