家族信託はどこに依頼するべきか

家族信託をはじめるとなった場合、どこに依頼するのがよいのでしょうか。

法律上どこに依頼しなければならないと決まっているわけではありませんが、一般的に司法書士・弁護士等の士業に依頼するのが一般的です。

今回は家族信託の依頼先について確認してみましょう。

  • 「信託」だから「信託銀行」に頼む? 

 「信託」と聞いて真っ先に頭に浮かぶのは「信託銀行」などの金融機関でしょう。確かに信託銀行でも信託を利用することはできますが、いわゆる家族信託を行うことはできません。家族信託では、受託者(財産の管理を託される人)を子供などの家族が引き受けることになりますが、信託銀行で行う信託は、手数料を払って信託銀行に受託者をお願いすることになります(なお、信託会社などに手数料を支払って行う信託を「商事信託」といいます。)。また、信託銀行に管理をお願いできる財産は、原則として金融資産だけですから、自宅などの不動産の管理をお願いすることはできません。

 金融機関でよく見かける「遺言信託サービス」は、金融機関が遺言書の作成・保管・執行を行うサービスですので、家族信託ではありません。「遺言信託サービス」は、あくまで亡くなった後の財産の承継先を決定する「遺言」です。

 

  • 家族信託の担い手

 それでは、家族信託はどこに依頼すれば開始できるのでしょうか。担い手となる主な専門家を確認してみましょう。

 

 ① 弁護士

 弁護士は、言わずもがな法律の専門家ですので、あらゆる法律問題に対応することができます。家族信託は、平成19年から施行されている信託法に基づいた制度です。したがって、弁護士であれば家族信託の組成から、組成後に紛争に発展した場合まで、家族信託に関する様々な法的問題に対処することができます。

 

 ② 司法書士

 司法書士は、不動産登記、商業登記、相続、成年後見などの専門家です。家族信託は、相続や後見と密接に関連していますし、多くの場合不動産を信託するので登記が必要となります。家族信託と司法書士の業務は親和性が高いので、家族信託をはじめる際は司法書士に依頼するケースが一番多いとされています。

 

③税理士

 税理士は、税金の専門家です。家族信託を利用する多くのケースでは、相続税などの試算をした上で、将来どのような財産承継をすることが税務上適切であるかシミュレーションをして実施します。したがって、税理士が家族信託のサポートを行うケースもあります。司法書士や弁護士と連携して行うケースも多くあります。

 

④その他

 上記のような士業の他に、不動産コンサルタントや行政書士など方々が担い手となることもあるそうです。家族信託の普及に伴い、今後様々な方が関わっていくことが予想されています

 

 ・まとめ

 家族信託はまだまだ新しい制度です。遺言や相続などと異なり、判例などが蓄積されているわけではありませんので、実務上解釈や運用が定まっていない部分も多くあります。だからこそ、家族信託について研究を積み重ね、より実績豊富な専門家を選ぶことが何より大切です。例えば、電話をして直接問い合わせてみる、ホームページなどに十分な案内がされているか確認する、知り合いから紹介を受けるなどの方法が有効でしょう。

 また、家族信託の組成にあたっては、ご家族ごとのライフプランに沿って、法務・税務の両面から様々な事項を検討することが非常に大切です。その意味では、複数の専門家でチームを組んでサポートする体制が整っているか確認することも重要です。ちなみに私の事務所では、税理士、弁護士、FP、不動産コンサルタントなどの方々と連携をとりながら家族信託に取り組んでいます。

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司法書士 元木翼

司法書士 元木翼

司法書士法人ミラシア・行政書士事務所ミラシア 代表 相続、遺言、後見、家族信託などが専門。相続・終活関連の相談実績は累計1,000件を超える。豊富な経験・事例を基に、“オーダーメイド”の相続・終活対策サービスを展開している。

 

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